市販のヘアカラー剤を使って、髪をグレーに染めています。
今ではほぼ期待通りの色に染めることができるようになりましたが、コツをつかむまではなかなかうまくいかず、ずいぶん苦労しました。
実はグレーはなかなか手のかかる色です。
なので、これから髪をグレーにしたいと思っている人のために、なぜグレーが難しいのかとグレーにするコツを説明していきます。
「補色」を知っておく
いきなりですが、補色という言葉をご存じでしょうか?
補色とは…
混合して無彩色を作れる2色の有彩色の組み合わせを互いに補色(ほしょく)であるという。余色、対照色、反対色ともいう。(Wikipediaより)
「混合して無彩色を作れる2色」というのは、平たく言うと「混ぜるとモノトーンになる2色」ということができます。
このような色の輪っかを見たことがないでしょうか。これは「色相環(しきそうかん)」と呼ばれるもので、この輪っかで向かい合っている色が補色になっています。
例えば黄色の補色は青色になります。
そしてこの向かい合っている2色を混ぜるとグレーになります。
- 有彩色→色味がある
- 無彩色→色味がない(モノトーン)
- 補色同士を混ぜる→無彩色(モノトーン)になる
この3つだけ覚えておいてください。
小学生の時、絵の具の筆を洗う水入れの水が最終的にグレーになっていましたよね。
あれはいろんな色が混ざることで補色同士が混ざり、その結果グレーになってしまうのです。
ホコリが灰色なのも、いろんな色の小さな繊維が混ざった結果、グレーに見えるそうです。
白+黒=グレー…は使えない
絵の具で考えれば、白と黒を混ぜれば簡単にグレーが作れます。
でも髪色の場合はそう簡単にはいきません。
髪の色をブリーチなどで抜いても白にはならず、黄色やオレンジになるからです。
なので髪をグレーにしたい場合、補色を使ってグレーにする必要があるのです。
反対の色を混ぜて、色味を打ち消しあって、モノトーンにします。
そう考えると、白髪は無彩色なのでグレーにするのは簡単です。私は白髪が増えてきて髪をグレーにしています。
でもやっぱり、すべての髪が白いわけではないので、補色を考えながら髪を染めています。
黄+青=グレー…だけど
自分の髪が有彩色の場合、つまり白髪でない場合は、髪色をグレーにしたければ補色を足せばいいことが分かりました。
上でも書いたように「黄色」の補色は「青」です。
金髪(黄色)を青で染めるとグレーになるはずです。
でも人によって肌の色が少しずつ違うように、地毛の色も違います。
つまり人によって
「黄色みが強い髪」、「赤みが強い髪」などがあり、
そうするとその補色も
「赤みがかった青(紫っぽい青)」なのか、「黄色がかった青(緑っぽい青)」なのかが変わってきます。
髪が緑色になってしまった場合
青く染めた髪が、色落ちとともに緑っぽくなってしまうことがあります。
これは青色が少なくて(もしくは落ちてきて)、もともと髪にある黄色が目立ってきた結果、
少しの青+たくさんの黄=緑
になってしまうせいです。
補色同士のバランスが悪いと、色を打ち消しあってくれないので無彩色になりません。
この場合、緑の補色は紫なので、紫色を足すことでグレーに近づけることができます。
いや、グレーじゃなくて青がいい、という人は青紫を追加です。ここで青だけを足すと緑の髪から抜け出せません。
ブルーやグレーのヘアカラーをしている人がムラシャンなどを使って黄ばみを防ぐのも、この補色の組み合わせを使っているということです。
そう考えると、もともと赤みの強い髪の人は、青で染めた時に紫っぽくなることはあっても緑っぽくなりにくい、ということが分かります。
とはいえ、自分の髪がどんな色を持っているかなんてすぐには分からないので、私自身、ちょうどいいグレーを見つけるまでに、髪が紫になったり緑になったりしていた時期がありました(^^;
一旦染めてしまった髪色を調整したい場合は、カラートリートメントを使うのが便利です。
すぐにカラーをすると髪が傷んでしまうし、1回目のカラーよりもさらにどんな色になるかが分からないからです。
トリートメントなら1回でそこそこ分かりやすい色の変化がありつつも、2~3回のシャンプーで元に戻すことが可能です。
髪の明るさも重要
髪を青系のカラーで染めたら真っ黒になってしまうということがありますが、これも補色を考えると理由が分かります。
白やグレーの髪に青を入れれば青くなりますが、元々髪に黄色みがある場合は補色の青を足したせいでモノトーンになります。
そして元の髪がよほど明るくない限りは濃いグレー、つまりほぼ黒色になってしまい、透明感のあるグレーを求めている人にとっては不満の残る仕上がりになってしまいます。
元の髪は明るい方が明るいグレーになる。でもブリーチはダメージが大きいのでできるだけ避けたい。
実は多くのヘアカラー剤が、地毛の上から色を乗せるのではなく、いったん明るくしてから色を乗せる仕組みになっているようです。そうでないとほとんどの人が「ヘアカラーしたのに全然色が変わらない」ということになってしまいそうです。
カラー後、しばらく待って髪の明るさをチェック
グレーに染めると、染めた直後はしっかり色が入るので黒くなりすぎたように見えますが、1週間くらいたつとほどよく色が落ちてグレーっぽくなってきます。
「え、黒っ!」と思っても、まずは1週間くらい様子を見てみましょう。
そこでいい感じにグレーっぽくなってきたら、そのカラー剤だけでもある程度の脱色効果があり、地毛の色が明るくなったということが分かります。
ブリーチをしなくて済むならその方がいいですよね。
それでもやっぱり「もっと明るくしたい」というのであればブリーチも候補になりますが、ブリーチで脱色した後はヘアカラーではなくカラートリートメントなどの脱色効果のないものの方が、ダメージ的にはまだマシかと思います。
色もかなりしっかり発色してしまうので、奇抜な感じにするのでなければ、ヘアカラー剤の脱色力くらいが自然な感じで髪色を変えられてちょうどいいのでは、と個人的には思っています。→
青は退色しやすい
髪に入れた青い色は退色しやすいです。
入りすぎると黒く見えてしまうのに、あっという間に落ちてしまいます。
補色やら明度やらに気を使ってやっと理想のグレーになっても、染めてから1週間~2週間くらいが理想的な色で、1か月くらいたつともう残っていない感じです。
青い染料が落ちやすい性質なのか、髪が元々暖色系を持っているので青が落ちたことばかりが目立つのか、そのあたりは正直よく分かりません。
理想のグレーを作るのに苦労するのに、それもすぐにダメになってしまうなんて…。
ただ、一度明るくなった髪はそのまま残っているので、前のグレーが気に入っていたのならそれ以上明度を上げる必要はありません。
カラートリートメントで色を足す
色がなくなったからといってすぐにまたヘアカラーをせずに、脱色効果のないカラートリートメントを使うことで、追加のダメージなく色だけを足すことができます。
青みが落ちるとグレーではなくなり、茶色やベージュっぽくなってきます。そのときにはカラートリートメントで青色を足せば、グレーを復活させることができます。
もし緑がかってしまうようであれば青+紫のカラートリートメントで緑色感が減らせます。
3週間目くらいから色落ちが目立ってきてしまうので、その少し前から3日に一度くらいカラートリートメントをすることで、ほったらかしよりもずっときれいにグレーカラーを保つことができます。
色落ちすると黄色(茶色)が目立ってきますが、それがミルクティーベージュっぽく見えたりもするので、それも悪くないなと思えたらカラートリートメントは週1くらいでも大丈夫です。
どれくらいのペースで色が落ちるかは、その人の髪質や使っているシャンプーなどにもよりますが、少しメンテナンスしてあげてグレーカラーを少しでも長く楽しめるといいですね。
おすすめのカラートリートメントはこちら。→